
ティピカ種について
ティピカ種は、ブルボン種と並び2大在来品種と呼ばれており、 エチオピアとイエメンに原種をもつ最も古くからある品種の一つであるコーヒー豆です。 「ブルマン」の愛称でも知られているブルーマウンテンなどの原種としても有名で、最近では高級品向けとしての栽培が増えています。
コーヒーの品種は、大きく分けるとアラビカ種とカネフォラ種、リベリカ種の3種類に分類できます。ティピカはアラビカ種に属する品種です。アラビカ種には、さまざまな種類がありますが、ティピカは最も古く、歴史の長い品種。名前の由来は「典型的な」「標準的な」という意味のスペイン語です。
ティピカ種の原産地
主に東南アジアやコロンビアの農園から広まった原産品種です。 ブルボンと同じく現在では原種はほとんど見られません。 サビ病や直射日光への耐性の低さが生産性を低下させており、その点をカバーする形での品種改良が進められました。
ティピカの栽培条件
ティピカは、標高が高い地域でのコーヒー生産が適しています。一般的に、標高1200メートル以上の地域での栽培が推奨されており、これにより豊かな風味と上品なアシディティが引き出されます。また、火山性の肥沃な土壌や、適度な降水量が必要です。これらの条件が揃うことで、ティピカの特徴であるバランスの良い風味が生まれます。

ティピカ種の特徴と味わい
ティピカ種 歴史上最も古い栽培品種で他の品種の大本とも言える品種がティピカ種です。 滑らかでさわやかな酸味がありとても繊細な味わいを楽しむことができるのがティピカ種の特徴ですが、他の品種に比べて生産量が少ないという点もあります。 現在もジャマイカやパプアニューギニアなど世界中の広い地域で栽培されています。ティピカの香り味わいは、際立ったコクや風味に甘みときれいな酸味です。後述しますが、完全なティピカは非常に少ないのが現状です。めったに見ることができないため、コーヒー業界人でも本当のティピカの味を判断できる人は少ないと言われています。
ティピカの生産状況
現在、ティピカ100%のコーヒー栽培は、非常に希少で入手しにくくなっています。1967年まではコロンビアでティピカが栽培されていましたが、生産性の低さから品種改良が進みました。その試みは現在も続いています。今ではティピカの単一品種こそ減ってしまいましたが、品種改良によって生まれた種は世界に広まっています。
ティピカの栽培環境
昨今では、高級品種としてティピカの子孫と呼ばれる品種が栽培されています。栽培から収穫までは4年ほどの歳月を必要とし、豊かな土壌を維持しなくてはなりません。また、ティピカは霧や病害虫にも弱いため、収穫まで非常に手間がかかります。
栽培には、厳しい直射日光に曝さないためにシェードツリーがあるのが理想的とされています。落ち葉は腐葉土となるため、自然の力を最大限活用できるのもポイントです。また、ふかふかとやわらかく、窒素還元が十分にできている土壌がティピカの栽培に向いています。

ティピカの歴史
ブルボンと並んで古くから存在する原種と言われているティピカ。15世紀から16世紀にかけてエチオピアから中東イエメンに伝わったコーヒーが、ティピカであると考えられています。
1658年、オランダからスリランカにコーヒーが持ち込まれ、やがてジャワ島に伝わりました。1706年には、ジャワ島からアムステルダムにコーヒーの苗木が贈られており、それがカリブ海や中南米へと広がっていきました。この苗木が、ティピカの祖先であると言われています。

ティピカ種の精製法・精製法が風味に与える影響
ウォッシュト精製(Washed Process)
ウォッシュド精製(Washed Process)は、1845年にジャマイカで発明された精製方法です。収穫したコーヒーチェリーをパルピング(果肉除去)し、水槽で発酵させて水洗しムシラージ(粘質物)を除去、乾燥させ、最後に脱穀します。果肉をあらかじめ除去することで果肉が腐ることを防ぎ、短い日数で精製工程が終わるなどの利点があります。しかし、設備投資が必要で、精製の工程で廃水が生じるため、廃水処理も必要となります。日本語では、「湿式」あるいは「水洗式」と表記されます。
ナチュラル精製(Natural Process)
ナチュラル精製(Natural Process)は、伝統的なコーヒーの精製方法です。コーヒーチェリーを天日乾燥させ、果皮全体が干涸びて一体となったハスク(殻)(Husk, Hull)を脱穀し、種子(生豆)を取り出します。日本語では、「乾式」あるいは「非水洗式」と表記されます。「非水洗式」という表記は、ナチュラルが「アンウォッシュト(Unwashed)」と呼ばれていた時代の名残りです。ナチュラル精製では、フレーバーがより強く表現され、果実感の強い味に仕上がります。
セミ・ウォッシュト精製(Semi-Washed Process)/パルプト・ナチュラル精製(Pulped Natural Process)/ハニー精製(Honey Process)
セミ・ウォッシュト精製(Semi-Washed Process)は、コーヒーチェリーの外皮と果肉だけでなく、パルパーやムシラージ・リムーバーを使ってムシラージ(粘質物)も除去し、水槽発酵の工程を経ずに乾燥、脱穀する精製方法です。これはフリー・ウォッシュト精製(Fully-Washed Process)に対置して使用される用法です。ウォッシュト精製が2度の水洗工程を経るのに対し、セミ・ウォッシュト精製は1度だけであるため、日本語では、「半水洗式」と表記されます。コスタリカでは、ハニー精製(Honey Process)と呼ばれ、ハニー精製は節水ができ、廃水の流出量を減少させることができるため、環境保護に力を入れているコスタリカのような国で発展したのも頷けます。
スマトラ式精製(Wet Hulling, Giling Basah)
スマトラ式精製(Wet Hulling, Giling Basah)の他の精製方法との大きな違いは、乾燥工程を2度(あるいは複数回)に分け、含水量が極端に高い状態で脱穀することにあります。
コーヒーを栽培する小規模農家が、ルワク(Luwak)と呼ばれる機械でコーヒーチェリーの外果皮を除去し、果肉の一部とムシラージ(粘質物)を残した状態で途中まで乾かしたアサラン(Asalan)を、取引業者が集荷して、まとめて脱穀と仕上げの乾燥を行います。スマトラ式精製も半水洗式の一種です。土、スギやヒノキ、青草、芝、ハーブ、カビなどと形容される独特の個性を持つフレーバーは、好き嫌いを分けます。
ワイニー精製(Winey Process)
ワイニー精製(Winey Process)は、ナチュラル精製の乾燥工程で、あえてコーヒーチェリーを発酵させることで、ワインに似た風味を付けることを狙った精製方法です。失敗するとコーヒーチェリーが腐敗してしまう難しい精製方法ですが、上手に精製されたワイニー精製のコーヒーは、実際にワインのようなフレーバーが綺麗に香ります。
発酵精製(Fermentation Process)
発酵精製(Fermentation Process)は、コーヒーの精製工程の中でも、発酵(Fermentation)に焦点を当てた新しい精製方法です。タンクに密閉して無酸素状態を作り出し発酵を促す嫌気性発酵(アネロビック(アナエロビック)ファーメンテーション(Anaerobic Fermentation))やボジョレーワインで用いられる方法を転用したカーボニック・マセレーション(Carbonic Maceration)、酵母(Yeast)や乳酸(Lactic)を添加して発酵させる方法など、様々な方法が試みられています。
樹上完熟(Dry On Tree)
樹上完熟(Dry On Tree)は、コーヒーチェリーを樹上で完全に乾燥させる精製方法です。トミオ・フクダのバウ農園(Fazenda Bau)のドライ・オン・ツリーが有名です。樹上完熟はコーヒーノキに負担がかかるため、バウ農園では、3年サイクルで区画を替えながら生産しています。
動物体内精製(Animal Process)
動物体内精製(Animal Process)は、コーヒーチェリーを食べた動物の体内を通過させる精製方法です。消化されずにそのまま糞と一緒に排出されたコーヒー豆を水洗し、天日で乾燥します。動物の消化過程で、消化酵素や腸内細菌がコーヒー豆に作用し、独特の複雑なフレーバーが生じるとされています。動物体内精製のコーヒーは、その物珍しさも相まって、最高級豆の代名詞として語られることが多いコーヒーでした。一般的には、未だに最高級豆として語られることが多いですが、現在のスペシャルティコーヒーには、さらに高級(高額)なコーヒーが存在しています。
モンスーニング(Monsooning)
モンスーニング(Monsooning)は、ナチュラル精製のアラビカ種やロブスタ種の生豆を、モンスーンの時期に約3〜4ヶ月間湿度の高い状況に晒す精製方法です。インド南部のマラバール海岸(Malabar Coast)のモンスーン(季節風)に晒されることから、「モンスーン・マラバール(Monsoon Malabar)」(または、「モンスーンド・マラバール(Monsooned Malabar)」)と呼ばれています。

ティピカ種の焙煎について
焙煎度合い:ライト、ミディアム、ダークの違いと特性
ライトロースト
コーヒー豆が薄茶色に色づきます。焙煎士は、コーヒーを浅煎りにするために最適な焙煎時間と焙煎温度を、非常に慎重に決定します。最終的にコーヒーを淹れた時に、ライトで甘く、フルーティーな酸味が生まれ、ミックスフルーツのジャムのようなフレーバーがあります。
ミディアムロースト
ライトローストよりもわずかに濃い茶色になります。一般的には、エスプレッソ系ドリンクに好んで使用されます。チョコレート、ブラウンシュガー、バター風味の焼き菓子、そしてキャラメルのようなにおいです。
ダークロースト
コーヒーがツヤのある黒色になり、はっきりとした苦みが現れます。コーヒー本来の特性は、焙煎の過程に影響を受けて薄れていきます。ダークローストにすればするほど、コーヒー本来の特性は弱くなり、そのような豆を使用して抽出したコーヒーにはほとんど酸味がなく、非常にまろやかな舌触りとなります。
焙煎度がティピカ種の風味に与える影響
コーヒーの焙煎レベルが低いほど、抽出した時に豆の特性が際立つようになります。焙煎レベルは、単に日々淹れたいコーヒーを選ぶときに意識すべき特徴というだけではなく、個人の好みに基づいて選ぶ特徴なのです。ブラックコーヒーがお好きな方には、ライトローストとミディアムローストがおすすめです。コーヒーにミルクを入れるのがお好みの場合は、まずミディアムローストから始めて、深い味わいと濃さが感じられるように焙煎されたダークローストへと、順を追ってお試しいただくのがよいでしょう。私たちの願いは、お客様がどの

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